聴いてきた♪ 木米真理恵@豊洲シビックセンターホール

概要

日時:2020年11月25日(水) 19:00~
場所:豊洲シビックホール
出演:木米真理恵(Pf)
曲目:
 ベートーヴェン ピアノソナタ第14番 Op.27-2「月光」
 シューベルト/リスト 「美しき水車小屋の娘」より第2曲
 サン=サーンス 「死の舞踏」
 リスト 「水の上を渡るパオラの聖フランチェスコ」
 ブラームス 7つの幻想曲集 Op.116


期待

ざっと見てわかる通り、かなり骨太の/強気のプログラム。
女性ピアニストでここまで濃いめのプログラムを組む人ってそうそういないのでは。

真理恵さんの演奏を聴いたのは過去に2回。今年1月の「梅の邦人会」イベントのゲストとして邦人の小品をいくつかと、同じく今年1月のPTNA主催グランミューズサロンというイベント中でショパンの舟歌を。
ショパンコンクール出場歴のある真理恵さんなので、やはりショパンのイメージがあるのか・・・実は私自身がショパンよりもドイツ物が好きという嗜好もあってか、これまでリサイタルを聴く機会がなかったのです。
(どちらかといえば、男性ピアニストの弾くドイツ物が好きというのもあって、ついついそっちに行っちゃう・・・)

それが、この日は、コンサートの主催者がアマチュアピアノサークル「梅の会」の管理人さんということで、これは行かねば!と。
プログラムも濃厚仕様で、好みだし。

アットホームなコンサート

会場に着いてみると、主催者が呼び掛けてそこに集まった聴衆たちは、顔なじみの人も多く・・・とても心地よい空気でした。SNS上で日々会話していながらも、実際にこうして対面できると嬉しさもひとしお。
この春以降、音楽方面はコロナの影響で大打撃を受けて、聴きにいけるコンサートもゼロクリアされ、弾きにいくイベントも。夏以降少しずつ復活してきた演奏会とはいえ、まだまだコロナ前のようには戻っていません。そんな中、こういうイベントを企画・実行してくれた人がいるから、「コンサート」そのものにも触れられたし、同時にそこに集まる人との交流も図れて・・・とても嬉しいひとときでした。

ファツィオリが歌う

豊洲シビックセンターといえば、ファツィオリのピアノ。
自分も弾いたことがあるけれど、なかなか難しいピアノという印象がある。なので、わたしのようなへっぽこアマチュアはファツィオリ様のご機嫌にそうような曲を選ばないといけない気がする。なんというか、楽器の個性が結構はっきりしていて、そこに合わせていく感じ? 

そういう先入観があったうえでのコンサート鑑賞。

ベートーヴェン「月光」
第1楽章の最初の音を聴いた瞬間、音色がクリアだと感じた。なんというか、この曲にもっている私のイメージと違う印象を受けた。ファツィオリの明るい音、真理恵さんの芯のある音色・・・なんか、すべてが明るく、パッと輝いている。満月。楽章が進むにつれ、その印象は強くなっていくのだけれど、不思議なことにそれがすっと馴染んでくる。

シューベルト/リスト 「水車小屋の美しき娘」より第2曲
これも同じ印象を受けた。楽器の個性も明るいし、真理恵さんのクリアな音。ホールは歌が満ちていた。(もちろん、歌詞はないのだけれど)

サン=サーンス 「死の舞踏」
このあたり、リサイタルのメインに持ってくるピアニストも普通だと思うのに、真理恵さんにかかると前半の締めなんだな・・・。

リスト 「水の上を渡るパオラの聖フランチェスコ」
これはファツィオリの音がとても合ってる気がした。波の表現が美しい。いろんな音色を使い分けてのオーケストレーションが見事。

ブラームス Op.116
これが私的にはこの日の白眉。個性の様々な小品を色とりどりに描き出される音楽は色鮮やか。ただ、やはり気になる楽器の個性。こればかりはベーゼンドルファーで聴きたいと思いました。

アンコールはリストの「ペトラルカのソネット第104番」今日は絶対にショパンを弾かないという真理恵さんのポリシーとのことでした。

素敵な時間でした

感想は上記のとおりなのですが、あっというまの90分でした。実は、これだけ盛り盛りのプログラムは、聴くほうも相当覚悟がいると思っていたのですが、予想に反して、とても聴きやすく、心地よい時間を過ごせました。

終演後、ロビーでCDを購入。サインも入れてもらって、写真もとっていただくという・・・このコロナ禍の中ですっかり消えてしまった「終演後」の風景が、ここでは戻っていました。

サインをいただいている時に、「すごいプログラムでしたね」というと、
真理恵さんは「そうなの~、弾き始めてから『あ、今日は結構手がつかれるプログラムだったわ』と思ってた(笑)」とか。

今後も応援していきたいピアニストさんです♪