聴いてきた♪ 本物のピアニスト

日本音楽コンクール第1位受賞者

調べてみたら2000年だそう。藝大在学中とのことだから、それから22年。現在、40代半ばくらいでしょうか? 

とはいえ、音コンが超難関コンクールなのはわかりきったことで、第1位のひとも毎年誕生する・・・ので、おそらくそれだけだと聴きにいかなかったかもしれないのです。が、某ピアニストさん(この有吉さんと同門の先輩とのこと)が、「ベトソナチクルス、有吉さんがやってからでないとやりませんw」とおっしゃってたことがあり。えーっ、このピアニストさん(現在、複数の音大、音高でピアノを指導されているし、コンサートもCDも、コンクール審査も・・・と超ご活躍の方です!)をして、そのように言わしめる有吉さんって、いったいどんな演奏をされるんだろう?

そういえば、そのピアニストさんにも、有吉さんにも、某団体のコンクールで審査してもらったことがあります。

機会があればぜひ聴きたいと思っていました。それがようやく叶いました。

プログラムはいぶし銀のような(♪)

(画像はチラシデータをお借りしました)

ブラームス 三つの間奏曲 Op.117
シューベルト ピアノソナタ第14番 D784
ショパン バラード第2番 op.38
     前奏曲 op.45
     ポロネーズ第7番 op.61
     前奏曲 op.62-2

今回のテーマは「祈り」ということで、いま弾きたいものを集めた、ということのよう。

カッコいい!

学歴(国内、海外留学)も、コンクール入賞歴もバッチリで、音大准教授という職位もゆるぎなく。
試験やコンクールで第三者に評価されるための演奏でもなく、誰にも遠慮することなく、弾きたい曲を弾くというスタイル・・・40代(たぶん?)の若さでそれができるっていうことがすごいと思う。

まぁ、私なんかは一般企業勤務の経験しかないですが、どんな仕事でも「やりたいことをやる」ためには、年月が必要です。いきなり新人がそんなことを言っても誰も相手にしてくれないわけです。実績を積み、周囲の信頼を勝ち取り、その上で、自分の立場も確立した上でないと「やりたいこと」なんてできないものです。

おそらく(これは推測)、音楽家だってそのはずで、小さい頃からの地道な積み上げ、その結果としての学歴やらコンクール歴があって、ようやく人前で対価を得て演奏できる立場になる。それだって、駆け出しの頃は、「コンクールのあの曲♪」とか「主催者のリクエストに応えて・・・」とか、必ずしも自分の弾きたいものだけ弾けるわけではないはずで、実績を積んだからこそ、できるプログラムってあると思うのです。

なんだか、このプログラムは、こういう実績のある人だから説得力があるのだと思う。

感想

ブラームスのOp.117-1で静かに始まるのだけれども、人が歌う声のような・・・言葉が聞こえるかのように感じた。天に向かって祈る声、天からの声、それがいろんな感情とともにやりとりされるような?(そういう聴き方であってるのかどうかわからないけれども、私にはそう聴こえたので・・・)
聴き終えたあと、涙が出ていたわたし・・・。

続いてシューベルト。これ、なんか胸にズンズンくる・・・そういう曲なんだろうけれど、それをこういうふうに素晴らしい演奏で聴かせてもらえるって、幸せだな。ピアニシモが美しすぎるから、ものすごく説得力あるんだなぁ。一楽章の最後、(いろんな祈りが込められた)鐘の音。こういうのって、絶対に素人が弾いてはいけない曲のような気がする。2楽章の途中で高音のシャンシャンシャンって鳴るところ、天上の天使の鈴の音のように思えた。とにかく美しい。3楽章、圧巻。(←なんだっけ、ちょっと記憶が薄れてしまった・・・帰宅途中にメモ書きしたのだけれど「圧巻」しか書いてなかったw やっぱりこういうものは記憶の鮮明なうちに書かなきゃいけないねw)

後半はオール・ショパン。

バラ2からスタート。あぁ、この曲の最初って、まさに「祈り」ですよね。最後の鬼コーダ、素晴らしい! 前奏曲、あまりしっかり聴いたことがない曲だけど、心地よい音楽だなぁ~と感じてるうちに。そして、幻ポロ、ひたすら美しく。(残念なことに、客席で咳が止まらなくなったおじさん?がいたようで・・・orz でも、そういう騒音・・・きっとステージにも聞こえているはずだけど、まったく動じず弾き切られるのって、ピアニストさんならあたりまえなのかもですが・・・それをあたりまえにやれるっていうの、何気にすごいことですよね)最後はノクターン18番。これは、なんというか・・・このコンサート全体のしめくくりというか、書かれたアンコールというか・・・そんな思いで聴いていた。

どうでもいいことかも、ですが(^0^;;

まぁ、こういう経歴のピアニストさんだから、当然ながら、客席は「そのスジ」の方が多いようです。なので、「全席自由」とあっても、なんとなく、一般聴衆は肩身の狭さがあるのですね。なので、客席後方にポツンと着席するわけですが・・・まぁ、だから、ゆったりとは座れます。

休憩時間、客席、ホワイエのあちこちで、「おひさしぶりです」「どーぞよろしく」「いえいえこちらこそ」みたいな挨拶をされているのが見えて・・・あぁ、こういうギョーカイも、まぁ、人脈がモノをいうことはあるのでしょうね。サラリーマン社会と何ら変わらないのだな(笑)完全にアウェイ感しかない私はそういう人間模様を観察して休憩時間を過ごすのでした。