弾いてきた♪ 日本バッハコンクール地区大会

コンクールには暗黙の了解がある?

去年も参加したのですよ、このコンクール。

去年は、コロナ禍でことごとく「本番」が立ち消えになってしまうという異常事態の中、せっかく練習した曲をどこかに出しておきたいという思いから、コンクールという場を選んだのでした。私が参加するのはたいていアマチュア主催の演奏会なので、アマチュアだからこそ、コロナという状況に冷静に判断して、中止や延期という英断をされます。一方、コンクールという形式をとってはいますが、民間の営利団体が主催するものならば、どういう形であれ開催されるのではないか?という読みから。

そして、たまたま去年の秋に弾いていたのが、「ピアノでお国めぐり」というイベント向けに、フランス担当で「フランス組曲」を弾いていたもので・・・。仮にイベントが中止になっても、なんとかその日程付近で弾けるイベント(営利団体主催の)があれば・・・と、探して、選んだのが日本バッハコンクールでした。

ところが、何の事前調査もせず、日程だけで選んだものだから・・・(笑)

2か所とも、「いちばん選んだらあかん」地区でエントリーしちゃったのですわ。

そう、毎年そこの会場で参加される常連さんたちは、全国入賞もされるような方々ばかりでして。

1か所は、規定の点数を超えてはいたけれども、点数上位から通過者が決まるので、「奨励賞」でした。つまり、ここのような強豪の常連さんがいる地区では、規定の点数を超えていても通過できないのです。

もう1か所は、納得できる審査結果じゃなかったです。大暴走、大崩壊した人が予選通過していました。普通、コンクールっていうのはその場での演奏の出来で採点されるはずで、常連さんだろうと何だろうとそういう演奏が通過するのはまずないと思うのです。実際、1か所めでは、アマチュア界隈ではバリバリ名前の通っているコンクール入賞常連の方が、冒頭の暗譜落ちで何度か弾き直しされていたので、その方は落選。納得の審査結果でした。だけど、この2か所めでは、大暴走、大崩壊しても、通ってしまう人がいる? なんで?

でね・・・私自身も、いろいろミスをやらかしていたし、それで「通過させろ」というつもりは毛頭ありません。が、特に2か所めは、1名(審査員は計3名でした)が、講評内容とうらはらに、やたら低い点数をつけてくださっていました。 なんで?

もう、これは確信しましたよ。選曲時点で落選確定していたんだな、と。というか、この審査員の先生は、それを暗に教えてくださってたんではないか?とさえ思います。このコンクールでは、まず、勝負の土俵に乗る曲を選びなさいよ、といったところ?

コンクール直後は、このコンクールは二度と参加しないだろうと思っていたのですが、その「もしや?」に思い当たり、再考しました。

実際のところ、コンクールの公式サイトに課題曲の構造として、高校生以下では学年ごとに「これを弾きなさい」という課題曲が決まっているのです。大学生以上は、「J.S.バッハの任意の曲」となっていますが・・・例えば、「フーガの技法」「半音階的幻想曲とフーガ」なども選んでよいし、小プレリュードやインヴェンションでもいいわけですが、いざ、コンクールとなって相対評価する場合、トッカータを鮮やかに弾く人と、小プレリュードを丁寧に弾くひとがいた場合、全国大会で受賞させるために地区大会を通過させるのは誰?となった場合、小プレリュードに勝ち目はないのでは・・・? 私の推測ですけれども。

私が参加するのは「一般」の部なのですから、最低限、高校生以上の曲が期待されているのだろうな・・・と、痛感しました。そうだとすれば、どっちにどう転んでも、常連さん多数の地区では、初めから(たとえ完璧に弾けていたとしても)勝負の土俵にすら乗せてもらってなかったのではないか?とも思いました。ただ、常連さんの通過枠を増やすためだけのボランティア参加だったんだな、と思ったらさすがに自分が馬鹿らしくて悔しくて。

そして検証してみた

課題曲の表をよく見ると、気づくことがあります。

中学生B部門(ガチでやってる子たちの部門?)と、高校生A部門(趣味でやってる子たちの部門?)の課題曲が同じなんですね。
なるほど・・・そういう見方をするならば、「大学・大学院」「一般」は、「J.S.バッハの任意の曲」と書かれているけれども、高校生B部門と同じくらいの曲は弾いてよね、と言われているようなもので、もちろん、それ以上の曲でも大歓迎という意味での「任意」だと理解するのがいいのではないのか?と。

私自身の演奏力は1年やそこらで急に変わるわけがありません。だからこそ、ここで暗黙のうちに想定されている曲を弾いたらどういう結果になるか? それを試してみたくなりました。

そういう自分の仮説と、だからこのコンクールに平均律で参加したいという旨、レッスンで相談し、選んでもらったのが2巻14番(BWV883)でした。

年始から着手して、レッスンで見てもらったのは春先までだけれど、その後もいろんな場で本番に出してきました。

去年、常連さんだらけの地区にエントリーして大失敗してるので、その地区は避ける。そして、自分の本番の時期も考えると(10月中旬以降、ベートーヴェンの譜読みを始めなければいけない!)、11月~12月初旬の地区にエントリーするのは無理で、12月下旬の地区に絞ることになります。

スケジュール的にはこんな感じ(↓)

 10月10日:リストの本番
 10月17日:ベーテン音楽コンクール(バロック部門・本選)
       ★プレリュード、フーガ
 11月13日:ベートーヴェンの本番
       ★プレリュード
 12月18日:ベーテン音楽コンクール(バロック部門・全国)
       ★フーガ

地区大会

仮説検証のための参加なので、今回のエントリーは1地区のみ。
私が平均律を弾いたら、どういう採点をされ、どういう講評が書かれるのか? 去年との違いは? その確認のための参加ですから1地区で十分なのです。

9月時点で講評されていた全国大会の日程が別の本番(べとべん祭り)の前日という日程ですから、予選通過しても全国大会に進むつもりはなかったので。

そして地区大会当日が来て、予定通り、平均律第2巻第14番を弾きました。

講評の質が変わりました。

去年、フランス組曲を弾いたときは、講評に「片手練習をしましょう」とか書いてくださった方もいらっしゃるのですが(指使いまちがえて音が抜けたりミスしたから)・・・あぁ、そういうことなんだな、と。
2声のフランス組曲ではミスしたら、「基礎力なし」と判定され、小学生に諭すような講評を書かれるんだな、と。

平均律を弾いたら、審査員は音楽として聴いてくださったようで、「気配りのある音使い」「気品のあるプレリュード」「細かい変化を感じられて、時々、ハッとするような表現がありました」と。その上で、課題点についてもアドバイスしてくださっている。

聴いてもらうためには、やはり、その場で期待されているレベルの曲を弾かないとダメなんだな、と。

・・・とまぁ、そんな成り行きで参加した今年のバッハコンクールですが、さすがに1年弾いているから、第2巻第14番、大好きな曲になりました♪ これ、私の一生のレパートリーにしたいです。